「神さま、どうして私はこんなふうに生まれてきたの?」
底抜けに明るいアンだって、何度この問いの前で泣き叫び、大声で怒り、ふとんの中にうずくまってじっと夜が明けるのを待ったことか。そんなアンをいつも側で見守っているマシュウとマリラ。そしてプリンスエドワード島の大自然。
アン・シャーリー。わずか4歳で両親を亡くし、たらい回しにされたあげく、1897年春、11歳のときに、カナダ東部にあるプリンスエドワード島・アボンリー村のグリーンゲイブルズと呼ばれる家に間違って連れて来られる。アンはそこに住むマシュウ・カスバートとマリラ兄妹の心を動かし、ついにいっしょに暮らすことになる。
ずば抜けた想像力と行動力を持つアンは、学校で人気者のギルバート・ブライスと大ゲンカしたり、「心の友」と呼び合うダイアナ・バリーとひょんなことから絶交するはめになったり、いつも揉め事が絶えない。でもそのたびに周囲の人々とのつながりは深まり、アンも成長していく。
冬となり、学校ではクリスマス・コンサートの大イベントが開かれる。アンは練習に夢中になるあまり、マシュウの異変に気がつかない。床に倒れるマシュウ。しかりつけるマリラ。アンはコンサートに出演できるのか?