チョ・ソンジン
圧倒的な才能と生来の音楽性を持つチョ・ソンジンは、同世代の最も優れた才能を持つひとりとして、また現在の音楽界における最も異彩を放つアーティストとして名を成している。思慮深く詩的で、堂々としながらもやさしく、また極めてヴィルトゥオーソ的で色彩豊かなチョ・ソンジンの演奏は、貫禄と純粋さを兼備し、見事なバランス感覚によって生み出されている。
1994年ソウル生まれ。6歳でピアノを習い始め、11歳で初めて観客の前でリサイタルを行う。2009年浜松国際ピアノコンクールで最年少優勝。2011年には17歳でチャイコフスキー国際コンクール第3位入賞。2012-2015年にパリ音楽院でミシェル・ベロフに学ぶ。
2015年にショパン国際ピアノコンクールで優勝。国際的な脚光を浴び、瞬く間にキャリアを高める。2016年初めにドイツ・グラモフォンと専属契約を締結。2023年にはクラシック音楽界への格別の貢献を認められ、サムスン湖巌(ホアム)賞(芸術部門)を授与された。現在ベルリンを拠点とする。
これまでベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン響、パリ管、ニューヨーク・フィル、フィラデルフィア管等、世界有数の一流オーケストラと共演しており、指揮者ではチョン・ミョンフン、グスターボ・ドゥダメル、アンドリス・ネルソンス、ヤニック・ネゼ=セガン、ジャナンドレア・ノセダ、サイモン・ラトル、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ、エサ=ペッカ・サロネン、ラハフ・シャニ等と定期的に共演している。
2023/24シーズンは、アイヴァー・ボルトン指揮モーツァルテウム管との共演でザルツブルク音楽祭へデビューするほか、サントゥ=マティアス・ロウヴァリ指揮フィルハーモニア管とはロンドンのBBCプロムスに再出演する。
また、コンセルトヘボウ管、ロサンゼルス・フィル、ボストン響(ボストンとカーネギー・ホール)との再共演や、クリーヴランド管、サンフランシスコ響、シカゴ響のデビューが予定されている。
ツアーのソリストとしても人気があり、キリル・ペトレンコ指揮ベルリン・フィルの韓国ツアー、アンドリス・ネルソンス指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の韓国・日本ツアー等を含む国際ツアーに参加。2024年の春にはジャナンドレア・ノセダ指揮ワシントン・ナショナル響とヨーロッパ各地で演奏を予定している。
また、引く手あまたのリサイタル・ピアニストとして、カーネギー・ホールのメイン・ホール、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ベルリン・フィルハーモニー、ウィーンの楽友協会とコンツェルトハウス、ミュンヘンのプリンツレーゲンテン劇場、ロンドンのバービカン、東京のサントリー・ホール、ロサンジェルスのウォルト・ディズニー・ホール、ラ・ロック・ダンテロンの国際ピアノ・フェスティバル、ヴェルビエ音楽祭等、世界の権威あるホールや音楽祭で多くのリサイタルを行っている。今シーズンはフランクフルトのアルテ・オーパー、シャンゼリゼ劇場、KKLルツェルン、サラ・サンタ・チェリーリア、アテネのメガロン、カーネギー・ホール等のホールでソロ・リサイタルを予定している。
最新の録音は2023年2月にリリースされたソロ・アルバム「ヘンデル・プロジェクト」。2021年8月にはノセダ指揮ロンドン響とのショパン:ピアノ協奏曲第2番とスケルツォ集をドイツ・グラモフォンでリリース。「さすらい人」と題されたソロ・アルバムは2020年5月にリリースされ、シューベルトの幻想曲「さすらい人」、ベルクのピアノ・ソナタOp.1、リストのピアノ・ソナタ ロ短調を収録。2017年11月にはドビュッシーのソロ・アルバム、2018年にネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管とのモーツァルト・アルバムをリリース。すべてのアルバムがイエロー・レーベルでリリースされており、世界中で批評家から絶賛されている。