鳥取県伯耆町岸本地区では祭事の復活と、地域の連帯感の創造をテーマにふるさとづくりを行なっています。
本事業について

岸本地区地域活性協議会ふるさとづくり構想

ふるさとづくり構想イメージ
  1. 事業実施地域
    鳥取県西伯郡伯耆町岸本地域

  2. ふるさとづくりのテーマ
    祭事の復活と、地域の連帯感の創造

  3. 地域協議会構成員
    1. 特定非営利活動法人大山・南部・奥日野観光事業推進機構
    2. 鳥取県伯耆町役場
    3. 農業経営者
    4. 地区内企業
    5. 地域住民

  4. 地域の現状、事業を実施する背景
    • 当地は、国立公園大山の西麗に位置し、その多くの土地が中山間地であり、農業に至っては現在多くの耕作放棄地が点在する。
    • 古くは大山の山岳宗教を信仰し、村々にも数多くの祭事が存在した。
    • 地区には高齢者が多く、青年層は都市部へと職業を求めており、古くからの祭事も他地区同様になくなってきている。
    • 本事業で、前記の再生、構築を図り、地域力の発掘をはかる。

  5. 事業の概要(下記詳細)
    1. 当地に古くから伝わる、祭事(夏、秋祭り)の復活
    2. 遊休農地を利用した、路地栽培野菜の生産
    3. 農産物直売所の開設
    4. 観光農場の開設により、体験農業(参加型)の事業実施
    5. 観光農場の維持管理、管理委託により収益の確保を図る

  6. 事業実施により期待される効果(下記詳細)
    1. 現在失われた、中山間地域の連帯感が再構築される
    2. 遊休農地の再生が図れる
    3. 農産物の生産意欲を高める
    4. 地元の観光施設、ホテル、ペンション等と連携をはかり、集客の増加
    5. 観光農園の管理受託等をおこない、収益を図り、地域の活性化ができる


事業の概要・期待される効果

【1】当地に古くから伝わる祭事(夏、秋祭り)の復活

祭り
事業概要

当地区は、国立公園大山山麓のふもとに位置し、かつては年間を通じ様々な祭事が行われていた、現在は高齢化が進み、また集落内の交流も薄くなり、特に若年層に至ってはその交流が現在は殆んど見られない。

本事業を実施するにあたり、年間を通じ岸本地区のモデル事業として、手作りの屋台、のぼり旗、屋台村の開催を行い岸本地区内の様々な集落にも案内をし、地域全体の活性化を図る。

祭事名(岸本地区収穫祭)

実施場所岸本地区八郷地内
時間午前10:00〜午後5:00
実施日時平成20年12月下旬
事業内容我家の逸品展示・ジゲの屋台村・農産品直売所民族芸能の開催(地元の太鼓保存会)等

屋台
期待される効果

古くから当地「岸本地区」は大山の信仰が盛んで、その影響もあり多くの祭事が存在した、現在は隣家同士の交流もあまりないが、本事業を実施する事により、中山間地域の連帯感の再生、復活に効果が期待できる。

また近隣の米子市などにも積極的に案内をおこなう事によって。都市との交流も図れ、都市部への人口流出にも抑制の効果がある。

岸本地域には現在多くの中山間地域があり、中には限界集落に近い所も存在する、今回の事業により広く点在する集落に多くの期待と可能性を発信するものである。

【2】遊休農地を利用した路地栽培野菜の生産
【3】農産物直売所の開設

遊休農地を利用した農業再生
事業概要

鳥取県伯耆町、岸本地域は高齢化、少子化のもと現在多くの遊休農地。減反農地が点在し、その多くが現在管理されず耕作放棄地となっている、地域は高齢化が進み、農産物の営農としての機能を失っている、町内にも町役場により設置された特産品販売所があるが、現実には高齢者にとって、その特産品販売所まで農産品を持って行き、また、残ったら引き取りに行かなければならず、全ての地域の高齢者が参加するのは難しい現状があります。

現在当町は、各集落毎にコミニュティーを形成しており、普段から他集落との地域交流はあまりなく、集落同士の情報交換の場もありません。

実際には各農家においても、利益の追求のみでなく営農の意欲は現在も存在していると考えています、私たちが考える遊休農地の利用法方としては、小さな単位の集落毎に直売所を設け、自分の作った農産物を、集落内の仲間と販売する事によって、失われつつある地域の連帯感の再生を図ってゆけると思います。

単に行政が設置した農産品直売所へ、会員登録し、スーパーマーケットと価格の競争を繰広げるだけのものではなく、小さくても、綺麗なパッケージがなくても、集落専用の直売所を設ける事によって、昔ながらの量り売りができるようなシステムができれば、地域の農業再生のきっかけになり、また集落内で取組むことによって、それぞれの売れ残った農産品の交換も簡単にでき(現在も集約された農産品直売所では、売れ残りは各農家が廃棄している)資源の節約にもつながる。

直売
期待される効果

現在多くの農地の耕作放棄地は当地でも荒廃が進んでいるが、通常の農地では、数年耕作を放棄すると、水田、畑地においてもその再生は困難と言われている、遊休農地を利活用することにより、農地の保全が図れる。

通常において農作業と一口で言っても、その内容は様々であり、特に高齢者の多い中山間地では、機械作業、草刈作業などが重労働であり、それができなくなった時にその農家の営農は終わると言われているが、実際に地域の高齢者は、農産物育成のプロフェッショナルであり、長年培った農業の技術はひじょうに高い。かつて昔の農家は、長男が引継ぎ、重労働を荷い、高齢者はその知恵袋として営農を支えてきた日本古来の農業があったが、現在では殆んど崩壊している、小単位の集落で、遊休農地再生の取り組みをおこなう事によって、それぞれ自分の年齢、能力に合った農作業を分担しあう事が可能になる。

直売所についても、なるべく栽培農地の近くで行い、輸送等ができない農家でも生産直売を可能とする事により、営農の機会を集落内に増やす効果がある。また、直売所で生産者が直接手渡しをする事で、農産品のトレーサビリティも明確になり、消費者へのPRにも効果が期待できる。

【4】観光農場の開設により、体験農業(参加型)の事業実施

田植え体験
事業概要

伯耆町岸本地区には現在多くの、未使用遊休農地が点在しているが、市民農園として利用されている農地は殆んどないのが現状である。当地は大山国立公園のエリア周辺に位置し、大山ロイヤルホテル、大山ペンション村等、宿泊だけでも1200名〜1300名の収容能力を持っている。

昔は、国立公園大山と言うだけで多くの観光客が訪れた当地であるがここ数年観光客が激減している。

本事業の中で遊休農地を利用し、体験型農場を開設することにより、長期滞在型の観光客の誘致、近隣の(米子市)団塊世代の参加者の誘致を図り、農地の保全、利用促進をおこなう。

当協議会は、地域の農業者、NPO等の協力を仰ぎ、農地の整備、運営をおこない、農業への関心、日本の食文化の意識高揚を図る。

稲刈り体験
期待される効果

当地の岸本地区(宿泊1200名〜1300名)の施設利用の促進を図り、交流人口を増やし、地域経済に寄与する。

当地域の農産品(米・野菜・果実)を積極的にPRし地域ブランドの形成をおこなう。

現在低迷している、国内産農産品の利用促進に効果が期待できる。

【5】観光農場の維持管理、管理委託により収益の確保を図る

大山と菜の花畑
事業概要

当地域は農業とともに大山国立公園の山麓として西日本有数の観光地を形成している、観光客の多くは県外者が多く、また県内でもシーズンに偏った、観光客が多く見られる、簡単に観光市民農園とは言っても実際には、年間を通じ毎週のように農業体験を希望する者はそう多くはいない、特に畑地の市民農園は、近隣市町村でも殆んど、土地貸の形態が多く、参加型農園は殆んどないのが現状である、それは実際に農業をおこなってみると判るが、そう簡単にできるものではない、多くの機材、備品、土作利から、肥料、肥やしまで、結構大変なものである。

しかし、観光客、近隣の市町村のお客様のニーズは、様々で、苗植えから体験したい方、収穫のみを体験したい方、作業体験をしたい方と様々である、そこで当協議会ではそのニーズに応えるべく、様々なプログラムを考え、農業体験を参加型として実行し、農地の管理、作業の受託、年間の管理委託等を中心に事業化を図る。

農機
期待される効果

現在多くの農家は、その農作業の機械、道具、備品をそれぞれに持ち、その多くは年に数回しか利用しないものも多くある、中には少し古い形の機械などはまったく使用していないものもあるのが現状である、そうした機材、備品を共同で利用する事により、効率化を図り、少しでも高い収益性が図れる。

周辺地域、地元地域の農作業への就労希望者へ就業の機会を提供でき、将来は地域の雇用にも効果が期待できる。