プロフィール
中心市街地で洋装店を経営するかたわら、住民主導のまちづくりに力を注ぐ先駆者。小型船舶免許を取得して加茂川中海遊覧船を就航させたり、地域の人たちと協力して手作りで笑い庵をオープンさせた。現在は「河童ロード」のオープンに向けて奔走中。
誰でも参加できるまちづくり
笑い通り協議会 代表 住田済三郎
まちづくりの原点は「自分たちが生活しているまちは、自分たちで住みよいまちにしよう」という、共生の精神だと思います。幸せに明るく生活しているところには人が集まり、元気をもらうことができます。まちづくりは、無理をしないで、一人ひとりの心がけ次第でできるのではないか、と思います。
例えば、自分の家の周辺をきれいにする。次は共同で使っている場所を、町内単位できれいにする。さらに美しくしようと思えば、家の周りに花を植えるなど。作業の途中で人と人との交わりやあいさつがあり、感謝が生まれるようになってきます。
小さな力でもたくさん集まれば大きな力になる。今、この当たり前のことが忘れられているために、まちの力が低下していっているように感じます。評論家でなく、行動家であってほしい。美しい言葉は立派な行いの代わりにはなりません。有言実行だと思います。
行動するといろいろなもの、いろいろなことが見えてきます。私の場合“笑い庵”をまちの人と一緒につくったとき、この休憩所の形が少しずつ見えてくると、毎週の作業が楽しくなってきました。
完成が近付くと「次は何をするか」と、次々にまちづくりの話が発展してきます。行動することで新しいものが生まれる。まちづくりは難しく考えると進みません。できることからすれば、誰でもできます。
誰かが「加茂川に花ショウブを植えたら、川が癒され生き生きとする」と言い、それは良いとなったのですが、笑い庵を補助金なしでつくったため、予算を使い、花ショウブを買うお金がありません。そこで考えたのは、一般市民からオーナーを募集することでした。
おかげで130人のオーナーが集まりました。ボランティアを募集し町内の方と花を植えました。毎年たくさんの美しい花が咲き、大変喜ばれました。プランターに雑草が生えてきて、草取りをする時間がなく気がかりでいたところ、民間の事業所や高校生からボランティアの申し入れがありまた。一生懸命まちづくりをしていると、必ずや助け舟が出てきます。
まちづくりは心ある人なら誰でも参加できます。加茂川・中海遊覧も多くの人の理解、協力で始めることができました。加茂川に沈んでいる石の撤去は、県の協力を得ました。清掃は、周辺住民の方々が中心となり、16年11月から月2回ご協力をいただきました。
初めての清掃には、あまりにも多くの「こんなものまで」と思われる種類のごみに、みんなびっくりしました。今では清掃を重ね、大部分が取り除かれました。
船の船長、笑い通りの皆さん以外にも協力をいただいています。商工会議所も広報誌などでお世話になりました。米子市漁業協同組合には、観光船運航の同意を「まちづくりのためなら」と、気持ちよく受けてもらいました。
「船を買われる時に使ってください」と、お金を寄付された方もあります。新聞・テレビにも多く取り上げてもらいました。これも住民の熱意が受け止められたからだと思います。利益や打算を超え、我がまちのため、一生懸命という誠意が人の心を打ち、ゆさぶり、つながりができたのだと思っています。
中心市街地の元気がなくなると、外から見たとき、まちが衰退しているように見られます。中心市街地は、そのまちの顔であるということを認識し、まちづくりをしていかなければなりません。誠心誠意と言行一致が大切なことを常に心に留め、人の心に通じ合うものを見つけたいと思います。
先行きの見えない時代ですが、こころの通ったまちづくりをみんな(共同体)で取り組み、次世代に少しでも良い状況で引き継ぐことができるよう、願ってやみません。










