改修工事の現場から 第4回

 例年と大きく異なったゴールデンウィーク(鳥取県では「おる(なるべく家に)」・「出ん(県外に)」ウィークと呼んだ)もあっという間に過ぎ去り、夏日と呼ばれる日も増えてきました。また、少し街から離れれば、鯉のぼりが気持ちよさそうに泳いでいるのが見えたり、田植えの終わった田んぼからはカエルの鳴き声や、草木や花の香りが風に乗って飛んで来ます。この爽やかな季節の後にはジメジメとした梅雨がやってくる事は間違いなく、季節の移ろいとともに早くも夏の到来を感じます。

〜5月の工事について〜

 山陰としては珍しい連日の初夏の陽気により、長らく冷え切っていたホールの中もさすがに暖かくなってきました。今回の工事のほとんどは屋内作業ですが、やはりその日一日、天気がいいと気持ちがよいものです。全く以って個人的な話しになりますが、雨や曇りの日は体が重く、反対に晴れた日には気分もよく仕事がはかどる気がします。あくまで、はかどる「気」ですが…。よし!何はともあれ今日も頑張っていきましょう!
 さて、雨の話をしましたので、4回目となる今回は今までご紹介していなかった「フリースペース防水工事」についてお伝えしていきます。

「フリースペース防水工事」ってどんな工事?
 当館のフリースペースは約3500枚のガラスを組み合わせた全面ガラス張りという珍しい空間となっており、開館以来、その開放的な雰囲気で様々な催しや待ち合わせ、憩いの場として多くの方にご利用いただいています。今回の防水工事はそのフリースペースの屋根部分を対象とするもので、経年劣化により痩せてしまった「シーリング材(※1)」を再び充填することや、一般的な家庭でいう「雨どい(※2)」を補修することで雨漏りを防ぎ建物の長寿命化を目指すものです。

(※1)「シーリング材」:ガラスとガラスのつなぎ目や隙間を埋めるための専用材のこと。
(※2)「雨どい」:フリースペースの屋根の雨どいは、まるで人が歩く通路のように大きい。


        〈フリースペース防水工事施工箇所/視点:正面玄関〉

               〈フリースペース内観 全景〉


「フリースペース防水工事」現場の様子
 今回、安全対策を万全にし、特別にフリースペースの屋根に上らせていただきました。まず、率直な感想としては「高くて怖い」この一言に尽きます。梨花ホールに設置されている仮設棚足場(地上約20m)にも上ったことはありますが、こちらはさらに高く地上約30m、さらに足元のガラスは透けていて浮いているような感覚にもなります。また、当日の現場はガラス面からの日光の反射や高所特有の強風もあり、作業員さんの日々の苦労の一端を感じとることができました。

      〈既存のシーリング材〉    →  〈シーリング材の割れや痩せの状況〉
Cシーリング(拡大) 
※シーリング材の割れや痩せは最終的に雨漏りの原因となり建物の寿命を短くします。

    〈現場の景色 頂上付近から@〉     〈現場の景色 頂上付近からA〉
E景色 


               〈現場の景色 Bパノラマ写真〉

 雨漏り対策として実施される今回の工事は屋外で、そして晴れの日の作業が原則となると共に、暑すぎず、寒すぎず人間がちょうど気持ちのよい環境で行われることが理想であると言われています。そのため、雨の多い山陰では作業がしばしば滞ってしまう恐れもありましたが、現在のところは順調に進んでいるようです。自然がもたらしてくれる雨は作物の育成や人々の生活に必要不可欠で、適度であれば恵みの雨となりますが、近年、多発するゲリラ豪雨と呼ばれるような雨の降り方には困りはてることもあります。修繕が終わったあとはそのような雨が突如降り始めてもしっかりと守ってくれることでしょう。

〈フリースペースの屋根には雪の多い山陰ならではの仕掛けがありました〉
 鳥取県民の皆さんはご存じのとおり、県外の皆さんは意外だと思われるかもしれませんが、ここ鳥取県は雨だけではなく砂もたくさん…。いやいや、雪も多い地域となっています。近年で言えば、3年前の2月には鳥取市内でも90cmを超える雪が降ったこともありました。今回、私自身初めて屋根に上ったことで知りましたが、そのような降雪の事情を考慮して、屋根に特別な融雪装置が設置されていました。仕組みは、山間部の道路などで見かける地形の高低を使ったシンプルなものと同じですが、当館では地下に湧き出る湧き水を使用し、必要な時にポンプで汲み上げて融雪に利用しているようです。そもそも、とりぎん文化会館の下に湧き水があることも初耳でしたが、このような仕掛けは県内はおろか、降雪の多い他県を見てもとても珍しいのではないでしょうか。

  〈フリースペースの屋根の融雪装置〉  →  〈印の中の小さな穴から散水する〉
H融雪装置(拡大) 

〜おわりに〜

 今回の工事とは直接関係ありませんが、作業の終わりにとてもきれいな夕焼け空を見ることができましたので1枚載せておきます。

                       〈夕焼け空 とりぎん文化会館屋上より〉





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