Vol.16 大ホールの舞台照明工事をご紹介!

 倉吉未来中心大ホールの工事期間も終盤に突入しました。
現在は、舞台機構設備や舞台照明設備の試験調整や動作確認などが行われています。
さて、今回のホールレターは大ホールの舞台照明設備についてお話します。
数多くある舞台照明設備の中から、「ピンスポットライト」と「ライトブリッジ」に重点を置いて説明します。
▲大ホールのピンスポットライト▲ピンスポットライトを操作している様子

 大ホールでは舞台から約40m離れた部屋に、「ピンスポットライト」が4台設置されています。
音楽ライブやテレビ番組などで、ボーカルに合わせて明かりが移動している様子を見た事があると思います。
この時、ピンスポットライト担当者が、ボーカルの動きに合わせてピンスポットライトを操作しています。
関連動画はこちら(公式Youtube「たんけんツアー〜初公開もあります〜」へ)

 このピンスポットライトは、今回の改修で劣化した部品の交換が行われました。
小ホールのものはLED化を行いましたが、大ホールはLED化をせず、これまで通りの機種を引き続き使用します。

 これまでホールレターを読んでいただいた方の中には、「どうしてLED化しなかったの?」と思われる方もいるかもしれません。
実は、40m先を照らすような高出力のLEDピンスポットライトはまだ少なく、ほとんどの大規模ホールでピンスポットライトはLED化を行っていません。
倉吉未来中心でも今回はまだ時期尚早ということでピンスポットのLED化を見送ることにしました。

また、シーリングライトやフロントサイドライト、サスペンションライトなどはハロゲン器具とLED器具を組み合わせて、催事に合わせて使用することにしています。
これも同様で、大ホールクラスで求められる照度を持ったLED器具はまだ普及が進んでいないため、既存のハロゲン器具を残しています。
しかし、いつかはLED器具に置き換わる時が来ると考えていますので、今回の改修工事では、今後全ての器具がLEDになったとしても対応できるようにしています。
その他、作業灯として使用されるボーダーライト、ホリゾント幕を染めるホリゾントライトなど、用途がほぼ決まっている照明は今回全てLEDになりました。

 次に「ライトブリッジ」を見ていきます。ライトブリッジは、コンセントとバトンが一体になったもので、多くの照明器具が吊ってあります。
客席から舞台を見た時、皆さんの目につかないように幕の後ろに隠れていますが、準備やバラシ(片付け)作業の時は、舞台面まで下ろして作業をします。
また、人が乗り込んで明かりあわせ作業、いわゆる「シュート」をすることもできます。
その長さは舞台の上手から下手まで。まさに「ブリッジ」ですね。
関連動画はこちら(公式Youtube「たんけんツアー〜照明さんのお仕事編〜」へ)

▲ライトブリッジに吊られた灯体(工事前)
▲真横から見たブリッジ▲大ホールの上手下手の間を渡るブリッジ

 ライトブリッジは、ハロゲン器具とLED器具どちらも使えるように改修されました。
他にも乗り込み時に、墜落防止用器具が使用しやすくなるようになったり、ブリッジの真下に設置されているバトンの器具の明かりあわせができるように点検口を設けるなどの改良が施されました。

▲ブリッジの下に設置されているバトン

▲これまでは手で調整が出来ませんでした・・・▲新しく設けられた点検口

 今回は主にピンスポットライトとライトブリッジについてご紹介しました。
この2つはこれまでのホール探検ツアーでも滅多にご紹介できず、皆様の目に触れることが少ない設備ですが、ピンスポットライトは大規模なコンサート等ではなくてはならない設備であり、ライトブリッジに吊られている照明器具は、音響反射板を使用するイベントを除くほぼ全てのイベントで使用されている、大ホールの重要な設備です。
そのライトブリッジの照明バトンにはこれまでの照明器具に加えてLEDの照明器具が仲間入りし、まさに「ハイブリッド」となった倉吉未来中心大ホールの舞台照明。
改修後の活躍に是非ご注目ください!


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