Vol.12 ここが変わった小ホール〜前編〜

 1月から始まった改修工事。
大ホールは12月末まで続きますが、小ホールは7月で終了し、8月からリニューアルオープンする予定です。
そこで今回は小ホールのどこがどう変わったのかを2回に渡ってご紹介します。
まずはこちら。
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 Vol.9でご紹介した舞台照明操作卓とLED照明器具が正式に納入されました。
小ホールは今回の改修でボーダーライトやホリゾントライト、ピンスポットライト等の固定器具を含めた全ての照明器具がLED化され、オールLEDのホールとなりました。
LED化を行うためには単にこれまでの照明器具と入れ替えればOK、というわけではなく、コンセントの交換や電気設備の更新、信号をコントロールするためのネットワーク環境の整備など、様々な工事が必要でした。
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これまでのコンセント(C型コンセント) 新設されたコンセント(平行コンセント)
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新設されたネットワークケーブルのコネクタ
(白い〇)とそれを照明器具用の信号ケーブル
に変換する機械(黄色い〇)
器具同士を接続(白い〇と黄色い〇)して
信号を受け渡しています

 どうしてこれらの工事が必要かというと、これまで使用していたハロゲン器具は、照明卓で指定した明るさにするために、調光盤という機械がコンセントに流す電流をコントロールし、明るさを調整していました。
しかし、LEDの照明器具は調光盤を通した電気を使用すると故障の原因となってしまいます。
そこで調光盤を通さないようにして、平行コンセントからは常に100%の電気を受け取るようになり、LED照明器具の電源として使えるようになりました。
しかし、これだけではLED照明器具の電源が入るだけで、明かりは点きません。

明かりを点灯させるためには、1つ1つマイナンバーが設定されたLED照明器具に信号ケーブルを通して照明卓で数値を指定します。
簡単に言えば「1番、明るさ100%で点灯」といった感じです。
明るさもLEDの素子である赤の明るさ、緑の明るさ、青の明るさ、更にはズーム(※1)やストロボ(※2)のオンオフまで、全ての信号を同じ一本の信号ケーブルでやりとりするようになりました。
※1 円の大きさを調節する機能のこと。 ※2 高速で点滅させるモードのこと。

 そのため、厳密には「1番、赤の明るさ20%、緑の明るさ50%、青の明るさ70%で100%ズームすること」など、複雑な命令がされています。
機種によってはこの色の種類が6色もあるため、より複雑です。
もう照明器具というよりもコンピューターと言った方が良いのかもしれません。
一台につきケーブルが一本増えたため、面倒になった点もありますが、一台で様々な機能を賄えること、そしてこれまで必要だった調光盤が不要になったことで、コンセントと操作卓さえあればどこでも使用することが出来るようになりました。
今後の活躍に期待です。
なお、これまでの照明器具も一定の条件があるものの使用することが出来ます!

 その他にも、これまでのカラーフィルターではどうしても他の色より暗くなってしまうことの多かった青色が、他の色にも負けないほど鮮やかに発色するようになりました。

 左がこれまでの照明器具、右が今回更新されたLEDの照明器具です。
出来る限り同じに見えるようにしてみましたが、ハロゲンが100%の明るさなのに対してLEDは僅か20%で同じ明るさを出すことが出来ました。
これまでより明るく発色させることが出来ます。

 舞台機構操作盤も新しくなりました。 
今回の更新でバトンなど吊物の高さを記憶する機能が付きました。
これにより、式典中に看板を変更する、もしくはプロジェクター使用時に一旦看板を上げて、終了後に同じ位置に戻す、といったことが簡単に出来るようになりました。
実は看板には照明を当てているため、これまでは照明がズレないようにモニターとにらめっこしながら「ここだ!」という位置で看板をストップさせる作業が必要でした。
これからはボタン一つでセットした位置に止まってくれるようになります。

 今回は照明と舞台機構についてご紹介しました。
次回は現在も工事が行われている残りの部分についてご紹介しますので、お楽しみに!

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