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バンヴィルさんの田舎暮らし体験談


波多を流れる清流 イギリス出身の英会話講師、ショーン・バンヴィルさんは大の日本好き。仕事の都合で神戸からアラブ首長国連邦(UAE)へ。砂漠の国は毎日40℃を超す暑さ。雨もめったに降らないので、まだ幼かった子どもたちは傘の差し方を知らなかったとか。
 改めて四季のある日本の良さを実感したご一家は、移住支援体制が整っていた智頭町に注目。雰囲気のある古民家、波多の美しい棚田、自然と戯れる子どもたちの様子を見て、1度の下見で即決したそうです。

◇なぜ「田舎暮らし」を考えたのですか?

宣恵さん:
主人は神戸で英会話講師をやっていましたが、アブダビの大学で仕事をすることになり、6年間赴任しました。UAEは砂漠の国ですから、冬のない生活。子どもがまだ小さいうちに日本に帰り、四季のある生活をさせてやりたいと思ったんです。

主人はとにかく日本が大好きで、母国のイギリスに帰る気は全くなし。日本の田舎暮らしにすごく憧れていたので、「田舎に行かないか」と言うんです。一方私は鳥取市出身で、若い頃田舎が嫌で故郷を離れたのに「今さら?」と、最初は気が進みませんでした。何かと便利な神戸に戻るほうがいいんじゃないかと。最後の最後まで悩みましたが、最終的には「中途半端にまちなかに住むより、この際だから思いっきり田舎に住もう」という気持ちになりました。

◇智頭町との出会いは?

宣恵さん:
UAEで息子は日本人学校に通っていたんですが、偶然にも担任の先生が智頭町出身の方だったんです。「智頭はいいよ」と話しておられたことが印象に残っていて、智頭町役場に連絡を取りました。ちょうど移住定住の施策が始まってまもなくだったようで、智頭町は支援体制が整っており、役場の方もとても丁寧でした。早速資料を送ってくださったんですが、それを見た時点で主人の気持ちは8割方「智頭」と決まっていたようです。

春先の波多地区2011年の夏に智頭を訪れ、候補の家を下見しました。気に入らなければ他の家も見に行く予定でしたが、周囲の棚田が美しい波多のこの家をひと目で気に入りました。子どもたちの反応も見ていたんですが、あふれる自然にもう夢中。虫を追いかけたり草花を観察したり。その様子を見て心が決まりました。

◇田舎暮らしをしてみての感想は?

宣恵さん:
主人は、憧れていた日本の田舎暮らしにもう大喜び。趣味の自転車に乗って、15km以上離れた「虫井神社」までも走っていっちゃう。杉山や棚田の景観、茅葺き屋根の家、古い蔵、神社なんかもお気に入り。家族そっちのけで歩き回り、神社の彫刻をしげしげと見つめたり写真を撮ったり。

地元の人にはなんでもない風景でも、神戸やUAEで暮らしていた私たちにとってはすべてが新鮮。当たり前のようにチョウが飛び、雨が降れば川の水が満ち、空や雲の色、風の香りなど、自然の変化が感じられる。これはお金じゃないなと思います。人と人のつながりもすごく深い。洗濯を干していたり外で草取りをしていたりすると、近所の方が必ず声をかけてくださるんです。

ショーンさん ――「波多を歩くとき、私はいつも“リゾート気分”になります」と話すショーンさん。お宅からは、折り重なるように続く山並みとのどかな棚田の風景が広がっています。ここには街の喧騒はなく、聞こえるのは小鳥のさえずりと風のざわめきだけ。それは、どんなリゾート地にも負けない“癒やし”なのかもしれません。ご一家は、役場や近所の方に教えてもらいながら米作りにも挑戦したい、と張り切っています。――

◇田舎暮らしを考えている人たちへ、なにかメッセージはありますか。

宣恵さん:
海外で暮らしていた私たちは、雑誌等で日本の田舎暮らし情報を得ることができなかったので、智頭町のようにWeb上に情報がしっかり出ているのはとてもありがたかったですね。それがなければ智頭を選ぶことはなかったと思います。そのうえ智頭町は移住定住支援制度があり、問い合わせに対して役場の方もこまめに連絡を入れてくださったので、とても助かりました。

お部屋に飾られていた娘さんたちの雛人形暮らしたい地域にどんなイベントや活動があって、どれぐらい若い人がいて、学校や病院がどこにあるのか。そして、自分たちはそこでどう暮らしていくのか、きちんとシミュレーションしてみることが大事ですね。利便性を求めるのなら「田舎暮らし」は無理。でも、実際に暮らしてみると思ったほど不便ではありませんよ。

――ショーンさんは、最新ニュースを題材に英語を学べるWebサイト「Breaking News English.com」を運営していますが、今後は智頭町を紹介するサイトも開きたいとか。新鮮な目線で発せられる智頭町の姿は、これから移住定住を目指す人の貴重な情報源となりそうです。――