いろいろな品種を展示!
屋外にある梨ガーデンには、おさゴールドのほかに、ヤマナシ、ホクシマメナシ、類産、犬殺、巾着、菊水などの野生種や古い時代の品種も展示しています。春夏秋冬、折々に変化していく様子をお楽しみください。
雪のように真っ白な花で覆われた「ホクシマメナシ」(4月中旬)
梨の作業体験学習を実施!
おさゴールドの樹を利用し、摘果体験(5月上中旬)、小袋掛け体験(5月上中旬)、大袋掛け体験(6月上旬)、収穫体験(9月中下旬、有料)などの作業体験学習を行っています。
摘果体験(5月上〜中旬)
収穫体験(9月中〜下旬)
おさゴールド(二十世紀)はカズラ枝を使用!
梨ガーデンのおさゴールド(二十世紀)は、平成26年で満16歳を迎えました。昨年は、一樹あたり1,500個の果実が実り、9月中下旬に完熟するまで待って収穫しました。果実はおいしい果実の特徴とされる「虎熟れ」(まだら熟れ)となり、大玉(平均400gくらい)で高糖度(糖度12〜13度)の果実が収穫できました。
この樹では、大正時代から昭和時代にかけて活躍した本県屈指の技術者・高田豊四郎(たかたとよしろう)が開発した「カズラ枝」を採用しています。この技術は現在でも若木の整枝法に採用されています。
蔓(かずら)のようにスルスルと5〜7mにも伸びた枝は、とても見事です。長い枝は夏にはたくさんの葉で包まれ、一枝に40〜60個もの実をつけます。
カズラ枝を使用した「おさゴールド(二十世紀)」(2月)
たくさんの葉で覆われた「おさゴールド(二十世紀)」(7月)
水耕栽培、水気耕栽培も展示!
梨ガーデンでは、梨栽培では全国的に珍しい「水耕栽培(すいこうさいばい)」や「水気耕栽培(すいきこうさいばい)」も展示しています。土を使わず、水と溶液だけで梨が作れることをご覧いたいております。
水耕栽培では黒曜石パーライト(黒曜石を高熱処理してふくらませたもの)を使用し、肥料を溶かした水溶液を循環させています。
直径4mの鉢で栽培しています。1本の樹に「愛宕」、「新雪」、「晩三吉」、「王秋」の4品種を接ぎ木しており、4種類の果実が実ります。平成24年3月に植え付けし、現在樹を拡大中です。
水耕栽培施設(中央の円形の施設)と花壇(5月)
おさゴールドは4月中下旬に満開となり、見ごろとなります。平年の満開日は4月18日ごろです。 真っ白な花が枝筋をおおうように開花する様は、とても見事です。
おさゴールドに前後してホクシマメナシ、ヤマナシも満開となります。樹がまるで雪でおおわれたように一面、真っ白に変わります。梨ガーデンの絶好のシャッターチャンスです。
満開となった「おさゴールド(二十世紀)」の樹(4月中旬)
果実の見ごろ
おさゴールドは4月下旬に結実し、完熟となる9月中下旬まで果実が見られます。例年の完熟期は、9月15日から25日ごろです。
他の品種は4月下旬に結実し、早生品種は8月下旬まで、晩生品種は10月下旬まで果実が見られます。
まるまると太った「おさゴールド(二十世紀)」の果実(9月中旬)
紅葉の見ごろ
11月中旬から下旬に紅葉し、見ごろとなります。おさゴールドは黄色、マメナシ、ホクシマメナシは朱色に色づきます。 紅葉の期間は短く、やがて落葉が始まります。
赤く色づいた「ヤマナシ」の樹(11月中旬)
おさ二十世紀をもとに育成された中生の青ナシです。自分の花粉で実がつくため受粉作業は必要ありません。さらに、黒斑病にも強いという特長を備えた画期的な品種です。
おさゴールド(二十世紀)の木
高さ17mの木です。自然のナシの木の状態を見ることができます。昔、民家の庭先によく植えられていました。木の幹の下の方から出る枝にはトゲがあり、バラの仲間であることが確認できます。果実は4cm程度となりますが、硬いため煮たり塩漬けにして食べていました。
ヤマナシの木(開花期)
中国東北部原産で、寒さや乾燥に強く、根が地中深く伸びるため、台木に利用されます。果実は1cm程度の赤ナシで、渋くて食べられません。
ホクシマメナシの木(開花期)
江戸時代中期に栽培されていた晩生の赤ナシで、果肉の硬い品種です。原産は上総(千葉県)ですが、のち、上野(群馬県)や越後(新潟県)でも栽培されました。新潟県には推定樹齢200年の国指定天然記念物も現存しています。
類産の果実
江戸時代中期に栽培されていた晩生の赤ナシです。青森県から山形県の東北地方で栽培されました。大玉の硬いナシで、落ちてきた果実に子犬が当たって死んだことから、この名がついたと言われています。
犬殺の果実
明治初期に栽培されていた中生(なかて)の赤ナシです。新潟の原産です。当時、有り金をはたいても買いたいほど品質良好であったことから、この名がついたと言われています。 黒星病に強い品種です。
巾着の果実
江戸時代中期から明治時代に栽培されていた早生の赤ナシです。当時の品種の中では味と食味が良かったため、各地で栽培されました。色白で淡雪のように軟らかいことからこの名がついたと言われています。
淡雪の果実
昭和初期から後期に栽培されていた中生(なかて)で大玉の青ナシです。菊池秋雄(きくちあきお)氏が、太白(たいはく)×二十世紀の交配で育成した品種です。品質良好であるため、その後の新品種育成に大いに貢献しました。
菊水の果実